
昨今は助成金やファクタリングなど資金調達法が多様化していますが、定番のプロパーローン(銀行融資)も選択肢に入れて検討するべきです。
プロパーローンは金利・融資額・スピードのバランスが良く、大手を中心に多くの企業が活用しています。
プロパーローンとは、銀行などの金融機関が保証会社を介さずに直接貸し出しをする金融商品です。
保証料が不要になるため低コスト(低金利&初期費用不要の条件)で利用することができ、信用が高い事業者は銀行の裁量で柔軟な対応をしてもらえる場合があります。
デメリットは審査が厳しくて時間のかかることです。
また、保証会社を介さないため原則として連帯保証人が必要で、不動産などの担保を求められる場合もあります。
保証人になれる人の要件も厳しいため、誰でも簡単に利用できる資金調達法ではないことを覚えておきましょう。
銀行などが保証会社を介して融資することをマル保融資や保証付き融資と呼び、中小企業はプロパーローンではなく保証付き融資を利用しているケースが多いです。
事業者向けプロパーローン(プロパー融資)の金利は1.5~3.0%が相場です。
事業計画や企業の信用などから貸し倒れリスクが低いと判断された場合は、年利1.0%以下になる場合もあります。
なお、昨今は日本銀行の政策金利が上昇傾向にあり、低金利のプロパーローンは大きな影響を受けています。
信用保証協会が保証人になって企業が銀行などから借入をするマル保融資の金利も平均2~3%程度の低金利です。
金利の低さだけで見れば、プロパーローンと大きな差がありません。
マル保融資の場合は利息とは別に保証料などの初期費用がかかり、銀行と保証会社で合計2回の審査を受ける必要があります。
保証料は条件によって個別決定され、相場は貸付金額の1~2%前後です。
審査には時間がかかり、希望額の満額融資を受けられない場合もあります。
銀行から見ればプロパー融資よりも貸し倒れリスクが低いため、中小企業でも審査に通りやすいです。
プロパー融資は貸し倒れリスクを軽減させるために、返済期間を短く設定するケースが多いです。
直近の業績が良くても数年後には状況が変わってしまうことがあるため、プロパー融資の借入期間は3~5年ほどが目安になります。
原則として利息以外の手数料がかからないため、借入と返済を繰り返す資金繰りをする企業が多いです。
他の融資などと同様に決算や事業計画書などを提出して審査を受けます。
利益が出ていてキャッシュフローが良い状況を作ることに加えて、銀行の担当者などに説明して納得してもらえるかが重要です。
公的融資や助成金は書面の内容だけで審査される傾向が強いですが、プロパーローンは銀行の裁量で審査を通過できるかが変わります。
言葉でしっかり説明して銀行側から求められたことをしっかり対応することで、審査に通る可能性を高められます。
プロパー融資は相応の実績と信用がある事業者でないと審査に通りません。
創業してまもない会社や売上が低い会社の場合は、すぐに銀行から保証付き融資を案内されるケースがあります。
銀行の担当者とコミュニケーションを取りながら、最適な資金調達法を見つけるとよいでしょう。
プロパーローンの審査を通すにはコツがあり、融資を受けられれば低コストで資金調達できます。
一例として、プロパー融資の審査を有利にする目的でファクタリングを活用し、キャッシュフローを良く見せる方法があります。
必要に応じて資金調達コンサルタントなど外部サービスを活用して、プロパーローンや助成金などで有利に資金調達する可能性を高めましょう。
こうしたコストが気になってしまう事業規模であれば、プロパーローンではなく保証付き融資などの資金調達法がおすすめです。