


融資は様々な条件を加味して審査されます。
もっとも重要なのは収入と支出の状況などから判断する返済能力ですが、返済が滞ってしまった際に金融機関が債権を回収しやすい環境なのかも重要です。
融資の審査や借入条件を有利にしたい場合は、担保融資を検討するとよいでしょう。
担保融資は万が一返済できなくなった場合に備え、担保を金融機関に提供する借入方法です。
担保に入れるものは不動産・有価証券・債権・宝飾品・車などがあります。
担保に入れる資産がないと利用できませんが、売掛金などがある事業者は債権を担保にして融資を受けることが可能です。
担保融資を利用して返済遅延をしても、すぐに担保を差し押さえられることは少ないです。
特に不動産や有価証券は差し押さえによる名義変更手続きが複雑なため、金融機関は差し押さえではない方法での回収を模索します。
回収の目処が立たない場合や債務者と音信不通になった場合は、早い段階で差し押さえに向けて動き始めるケースもあります。
信販会社の担保融資などは、一定期間の回収ができないと専門の回収業者に債権を譲渡し、債権回収業者が差し押さえなどの手続きをするケースが多いです。
差し押さえを回避したい場合は融資を受けた金融機関とコミュニケーションをしっかり取り、誠意のある対応を心がけるとよいでしょう。

事業資金調達におすすめの担保融資をまとめました。
社長の個人資産を使って担保融資を受ける方法もありますが、個人資産を担保に入れた場合は会社が倒産した際のリスクが大きくなります。
万が一返せなくなってしまった状況まで考えて、計画的に担保融資を利用するようにしてください。
不動産担保ローンは会社や代表者が所有する不動産を担保に入れて借入をします。
資産価値が下がりにくい不動産は担保評価が高く、まとまった資金を低金利で借入することが可能です。
不動産を所有していることが条件で、既に他の金融機関が抵当権を設定している場合は融資不可もしくは少額融資になってしまう場合があります。
抵当権の設定・抹消登記などの手間がかかるため、短期ではなく長期の借入におすすめです。
無担保融資に比べて低金利で借入できるため、無担保融資の審査に通る事業者がコストを下げるために不動産担保融資を活用するケースもあります。
貸し倒れを起こすと不動産を差し押さえられるリスクがあるので、返済できる見込みが高いシーンで活用するとよいでしょう。
生命保険担保融資は主に加入している保険会社の契約者貸付制度を活用して資金調達します。
一般的な生命保険契約は満期まで保険料を支払えば満期返戻金を受け取ることができ、中途解約すると大幅に低い返戻率になってしまう仕組みです。
中途解約せず満期まで契約を継続することが望ましいですが、資金調達が必要になった方に向けて保険会社が生命保険の解約返戻金を担保に低金利で融資する契約者貸付制度を用意しています。
解約返戻金に対して60~70%の割合を限度額に、月々の返済義務がない条件かつ低金利で融資してくれます。
信用情報などの審査は一切なく、万が一返済できなくなった場合は解約返戻金を差し押さえられて回収されるルールです。
まずは代表者などが契約している生命保険の契約者貸付制度を確認してみてください。
必要に応じて事業の運転資金などを目的にした活用を検討するとよいでしょう。
スピーディーかつ低金利で資金調達できるため、使い勝手が良い資金調達法です。
生命保険の担保を差し押さえられると、中途解約した場合よりも大幅に損をするので注意してください。
債権担保融資は売掛金や在庫を担保にして借入をします。
売掛金を譲渡して資金調達するファクタリングとは違い、担保融資として資金調達するのが特徴です。
金利が低くてファクタリングより低コストになることが多いですが、信用保証会社を利用しないといけない場合もあります。
初期費用が高くて担保評価の算定などで時間を要する場合があるので注意してください。
以前は保証人や不動産などの担保を用意できない事業者から人気の資金調達法でしたが、売掛金担保融資に関してはファクタリングが普及してからシェアを落としています。
短期的な資金調達の場合はファクタリングなど他の資金調達法と比較検討するとよいでしょう。